体温が上がれば冷え性改善!

細胞のダメージを回復

「恒常的に体温の高い体をつくる方法とは?」細胞のダメージを回復させたくても体の機能が低下して回復させられない。そんな低体温(冷え性)がもたらす「負のスパイラル」から抜け出す最善の方法は、体温を上げることです。

~体温が上がれば、全てがうまくいく!~

体温を恒常的に上げることには、絶大な健康効果があります。
次章で詳しくお話ししますが、低体温はストレスがもたらした結果でもあります。その結果を意識的に変えることで、体の機能を回復させ、ストレスに対する抵抗力をつけることができるのです。
では、なぜ体温を上げるだけで、健康を手に入れることができるのでしょう。
体温が高くなったとき、最初に変化するのは血流です。
低体温が血流を悪くさせるのとは逆の理由で、体温が上昇するとそれだけでも血流はよくなります。血流がよくなると、ストレスによってダメージを受けていた細胞に糖(グルコース)というエネルギー源が供給されます。それと同時に、体温アップによって酵素活性も上がるので、エネルギーを効率よくつくりだすことができるようになります。
こうして細胞がストレスから回復すると、その情報が脳に行き、脳の視床下部から下垂体へ、そして自律神経、ホルモンヘと伝達されていきます。こうしてよい情報が伝達されていくことによって、体全体の機能も正常に整っていくのです。
つまり、「負のスパイラル」が、体温を上げることによって、「正のスパイラル」へと転換されるということです。
お風呂や温泉、サウナなどで体を芯から温めると、体中の疲れがとれたように感じますが、それは細胞のストレス状態が回復するからなのです。
でも、そのよい状態はあまり長くは続きません。体が冷えると、また元の低体温状態に戻ってしまうからです。
ですから、体を常にベストの健康状態にするためには、外から温めるだけでなく、常に体温の高い状態をキープできる体づくりをすることが必要です。
そこでこの章では、誰もができる「恒常的に体温の高い体をつくる方法」をご紹介していきたいと思います。
私たちの日々の生活からストレスをなくすことは簡単ではありません。でも高体温の体を維持することは、日々のちょっとした努力の積み重ねで誰もができることです。ぜひ今日から、体温を上げる習慣を生活の中に取り入れていただきたいと思います。

~50代を過ぎると病気になりやすくなるのか?~

低体温は、あらゆる人にとってよくありません。中でも、とくにリスクが高くなるので気をつけていただきたいのが、50代以上の人の低体温です。
同じ低体温でも、20代では深刻な病気になる人はそれほど多くありませんが、50代になると病気を発症してしまう人が急増します。
脳の血流障害が原因で起こるパーキンソン病も、発症する人のほとんどが50~60代です。
パーキンソン病にかぎらず、多くの病気が50代を境に発症率が急増します。
なぜ50代を過ぎると病気になりやすくなるのでしょう。
それは、50代を過ぎると、ほとんどの人に加齢による動脈硬化が起こってくるからです。
動脈硬化とは、読んで字のごとく動脈の血管壁が硬くなることです。しかし、たんに硬くなるというだけではありません。血管の内側に悪玉コレステロールがこびりついて「プラーク」と呼ばれる脂肪の塊ができ、血の流れが悪くなるとともに血液が詰まりやすくなってしまうのです。
加齢によって、こうした動脈硬化がひどくなっていくのが、だいたい50代前後。ですから50代の人は、年齢的な問題でどうしても動脈硬化が起きてしまうので、たとえ体温が高い人であっても、その人が若かったときよりは血流が悪くなっていると考えなければなりません。
ただでさえそうした年齢によるリスクがあるのですから、そこに低体温か加わると、発病のリスクは跳ね上がります。
想像してみてください。動脈硬化によって硬く狭くなった血管の中を、低体温によってドロドロになった血液が流れることになるのです。しかもその低体温が交感神経 の過緊張によるものであれば、血管は収縮するのでさらに細くなります。こうなると、脳梗塞、心筋梗塞、狭心症など深刻な病気を招くことにもなりかねません。
こうした怖い動脈硬化も、これから申し上げる四つの危険要因に気をつければ、かなりの年齢まで防ぐことができます。
動脈硬化を招く危険要因は、アンチエイジングの世界では昔からよく知られている ものなのですが、リスクの高い順にいうと、「高血圧」「喫煙」「糖尿病」「高コレステロール」の4つです。
ここで注目してほしいのは2番目の「喫煙」です。
そのほかの3つは、健康診断で要注意といわれると、多くの人が食生活を見直したり、薬を服用したりすることでコントロールしようと努力されるのですが、リスクが2番目に高いにもかかわらず、喫煙をやめる方は実際には多くありません。そのため、いくら血糖やコレステロールをコントロールしても、タバコを吸い続けていたのでは効果はありません。喫煙しているかぎり、動脈硬化はどんどん進んでいきます。
50歳以降も健康でいるためには、まずは動脈硬化を招く4つの危険要因をすべて取り除くことです。そのうえで体温を恒常的に上げる努力を続けていけば、血流が改善されるので、硬くなった血管細胞のダメージも徐々に回復し、動脈硬化は改善されていきます。動脈硬化が改善されれば、それだけ病気を発症しにくくなるのです。

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